農産物のネット販売で起きるクレームの種類と、円満に対処する5つのポイント
2024/03/07
この記事では、農家さんがインターネットで農産物を販売するときに、起きる可能性のある「クレームの種類」と「お客様からクレームが来たときの対応」についてお話しします。
1.農産物のネット販売で「クレームが来たらどうしよう」と思ったことはありますか?
インターネットでの農産物の販売は、新しいお客様とつながる良い機会です。
でも「お客さんからクレームがいっぱい来たらどうしよう」「クレームが来たら、どう対応すればいいんだろう」って悩みますよね。。
今まで直販をしたことがない方なら、なおさらだと思います。
せっかく丹精こめて育てた農産物。
でも販売したら、クレームが続出で、どうしていいか分からない。
そんなことになったら、悲しいですよね。。
もうクレームで悩まない! 農産物ネット販売で起きるクレームの種類や対処法を紹介します
今日は、クレームがご不安な方や、農産物の販売で自信をなくしたくない方へ向けて、
・クレームの種類
・クレームが来たときの対処法
について細かくご紹介します。
高口はこれまで、農家さん専門のネット販売アドバイザーとして、4000人以上の方と関わってきました。
私が販売をお手伝いしてきた農家さんも、みなさん最初はこわいと言っておられましたが、まったく問題なく対応しておられます。
現時点でクレーム対応に困っている方も、これからネット販売を始める方も、ぜひ知っておいてくださいね!
↓なお、そもそも農産物の販売でクレームが来ないようにするための予防方法についても記事をまとめていますので、そちらも参考にされてくださいね。
以下の記事で、農産物の販売でクレームが起きないようにするための予防方法についてまとめています。
2.農産物ネット販売で起きる主なクレームの種類
農産物をインターネットで販売する場合に起きるクレームの種類は、主に以下の4つ。
主な対処法をまとめていますので、参考にしてみてくださいね。
(1)商品の品質に関するクレーム
まずは、届けた商品(農産物)の品質に関するもの。
例えば、
・商品が腐っていたり
・傷んでいたり
・虫食いだったり
・味が悪かったりする
こんな場合に、お客様からのクレームが予想されます。
また、商品の写真や説明文が、実際の商品と異なっていた場合にも、クレームが発生する可能性があります。
(2)商品の情報に関するクレーム
次に商品の情報に関するクレーム。
販売ページやメールの中で、商品名や産地、保存方法、賞味期限などの情報が不足していたり、実際と違っていたりする場合に、クレームが発生する可能性があります。
『「青森のりんご」って書いてあったのに、栃木から発送されてるじゃないか』というように。
特に農産物の場合は、生産者や生産地、栽培方法などの情報が重要です。
「プルームといって、品質には問題ありません」と販売ページに分かりやすく書いておけば、こういった問い合わせは減りますね。
できるだけわかりやすく書いておきましょうね。
(3)顧客対応に関するクレーム
商品に関するクレーム以外にも、顧客対応に関するクレームが発生する可能性があります。
例えば、伝えていた日に商品が届かなかったりした場合には、お客様からクレームが来る可能性があります。
また、返品や交換に関する手続きが複雑だったり、対応が遅れたりする場合にも、クレームが起きる可能性がありますので注意しましょう。
(4)配送に関するクレーム
農産物をインターネットで販売する場合には、商品の配送にも注意が必要です。
例えば、商品が破損したり、届いた商品が注文したものと異なっていたり、配送業者の対応が悪かったりする場合には、お客様からのクレームが予想されます。
配送に関する問題は、商品自体とは異なる問題であるため、特に注意が必要です。
2.クレームの「対処法」の基本をまとめると?
こういうクレームが届いたら、あわてますよね……。
混乱すると思いますが、まずは落ち着いて深呼吸しましょう。
基本は、クレームが来たときには、ていねいに対応することが原則です。
でも、意外かもしれませんが、その場ですぐに対応してはいけません。
えっ、迅速な対応が必要なんじゃないの? みんな「迅速に!」って言うじゃないですか。
って思いますよね。
でもそうじゃないんです。
4.農産物ネット販売でクレームに対処する5つのポイント
今から農産物ネット販売でクレームに対処する際の、5つのポイントを話します。
クレームを大きな問題に発展させる前に、円満に解決したい方は、この5つを大切にしてください。
(1)誠実な姿勢を示す
クレームに対しては、誠実な姿勢を示しましょう。
どんなクレームであっても、否定的な反応をしたり、責任転嫁をしたりするのはNG。
お客様の信頼を失ってしまいます。
よくあるのは、お客様と言い合いになってしまうケース。
言い合いをしても、いい終わり方になることはほとんどありません。
通話でもメールでも、「です、ます」を使って、ていねいな口調で話すのは鉄則です。
(2)クレームの内容と、相手が言いたいことを確認する
クレームが来た場合は、まずは「お客様の話をしっかりと聞くこと」が基本です。
相手の訴えを聞かずに、いきなり言い返したり、すぐに返信したりしてはいけません。
クレームを聞く際には、
・相手の氏名
・注文した商品
・いつ注文したものなのか
・どの商品や対応に問題があったのか(全部の商品なのか、一部の商品なのか)
などをしっかり聞いて、誤解のないようにすること。
通話でクレームが来たら?
もし通話でクレームが来た場合、可能なら録音しておきましょう。
いざというときに使えます。(録音は違法ではありません)
可能なら事前に「とても大切なことなので、会話を録音しております」と相手に伝えます。
もし録音環境がなければ、口だけで終わらせず、メモを取りましょう。
言った、言わない、にならないようにすることが、とても大切です。
通話のクレームは、まずゆっくり相槌を打ちながら、相手の話を聞きましょう。
相手が興奮している場合、同じテンポで返さないようにしましょうね。
そして、相手の話が分かったら、先方の電話番号やメールアドレスをしっかり確認して、いったん通話を切りましょう。
メールやLINE、コメント欄でクレームが来たら?
ほとんどはメールやLINE、コメント欄でのクレームです。
焦ってすぐに返信するのではなく、その人が何を言いたいのかを、文面からしっかり確認するようにしてください。
もしメッセージを読んで自分も感情的になってしまうようなら、一晩置いてもいいと思います。
人間は夜よりも朝の方が冷静に物事を判断できる傾向にありますので、朝に返信するのもいいですね。
(3)原因の解決策をしっかり検討する
一呼吸置いて、クレームの原因を解決するために、どのような対策が必要かを考えましょう。
通話が来たときは、すぐに答えず、いったん切って考えること。
メールも同じで、すぐに返信しないこと。
同じ問題が再度発生しないように、起きた問題と、どんな対応をしたか、必ず記録しておきましょうね。
こういった記録が、後でマニュアルになっていきます。
商品の品質に関するクレームがあった場合
↑高口がお手伝いしている農家さんの保証対応の例
商品の品質に関するクレームがあった場合は、以下のような対処法が考えられます。
・品質について、できるだけ詳しく事実を確認しましょう。スマホのカメラで撮った写真などを送ってもらうようにすると、分かりやすいです。
・こちらに落ち度があった場合は、しっかり謝罪をして、もう一度商品を送るか、返金するかを提案しましょう。
商品の情報に関するクレームがあった場合
商品の情報に関するクレームがあった場合は、以下のような対処法が考えられます。
・お客様が言っている商品の情報をもう一度確認しましょう。誤解を招いてしまった場合は、訂正とお詫びが必要です。
・商品の特徴について、誤解が解けるように、詳しく説明しましょう。
・もし誤った情報を伝えていた場合は、しっかり謝罪をして、もう一度商品を送るか、返金するかを提案しましょう。
顧客対応に関するクレームがあった場合
顧客対応に関するクレームがあった場合は、以下のような対処法が考えられます。
・お客様が話している問題や要望を、ていねいに理解して、真摯に解決に向かいましょう。
・こちらに落ち度があった場合は、やはりしっかり謝罪をすることが大切です。
配送に関するクレームがあった場合
・配送業者に問題があった場合は、業者に伝えて、改善を求めましょう。
・お客様にはまず謝罪をして、商品の再配送、返金、割引などの対応を提案しましょう。
(4)「謝罪」と「共感」を大切にする
クレームに対して重要なことは「謝罪」と「共感」です。
こちらが落ち度があると分かった場合には、もちろんしっかりと謝罪をすることが大切です。
謝罪には、「すみませんでした」というだけでなく、「これからこうしたいです」というように、先の展望まで話したいところです。
こちらに非がなくても謝罪すべき?
こちらに落ち度がないにも関わらず、どんなときにも「申し訳ありませんでした」とへりくだる必要はありません。
ではどうすればいいか。事実を伝える前に、共感をしてあげましょう。
「この人は私の話を分かってくれた」というような言葉があれば、相手の気持ちは一気に沈静化します。
お客様に対して真摯に対応することで、信頼を回復するどころか、一気にファンになってくれることだってありますよ。
(5)返金や再送を提案するのは重要
商品に問題があった場合は、返金や、再送を提案することが適切です。
これだけていねいに対応してくれるんだ、と思ってもらえれば、
「いえ、そこまではいいです」と言ってもらえることも、けっこうあります。
そこまでやりたくない! と思うかもしれませんが、このていねいさが、必ず後々の評判につながっていきます。
6.もっと詳しく、色んな場合のクレーム対応を知りたい方は……
いかがでしたか?
今日の内容を知っているだけでも、少し気持ちの余裕ができると思います。
ただ、今日お話したことは、あくまでも一般的な内容です。
実際にクレームが起きたときは、パニックになってしまうものですし、個別の事例でよく分からないかもしれませんよね。
そんなとき、他の農家さんがどうやっているのかを知ったり、
自分の場合はどうすればいいのか、いつでも相談できる人がいれば、心強いですよね。
今、LINE公式アカウントで、書籍やセミナーの映像をお届けしています。
今日の記事でお伝えしたポイントを踏まえて、安心しておいしい農産物を販売していきましょう!
この記事を書いたのは
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昭和61年1月12日生まれ
香川県高松市生まれで現在は東京都在住。
元小学校教員。(埼玉、島根)
現「株式会社たねをまく」代表取締役。
過疎化、新型コロナウイルス、燃料費高騰、後継者問題、価格の乱高下……
今、日々の生活の苦しい農家さんを救うのは
インターネット販売であることと考え、
ITの知識を生かして2015年に起業。
日本初の、農家さんに特化したネット販売アドバイザー。
新規就農の方や農家さんが、野菜や果物をインターネットで販売して利益を出す方法や考え方をお伝えし、「農業はもうからない」という常識をくつがえしたいと思って活動しています。
【農家さんの主なコンサルティング実績】
✅ネット通販を始めて、準備期間を含めて100日で売上2倍、2年目にはその4倍を実現した那覇マンゴー園様
✅人口300人の小さな島で、ネット通販で不安視されやすい野菜(玉ねぎ)の販売により、テレビなどのメディアの紹介を呼びこみ、ネットのみの売上が数百万円に。ブランド化に成功した津和地島だより様
✅「パソコンに触れるところから」と言っていた農家さんがスイカのネット通販を始めて、400玉を24分で完売⇒月商900万円を達成。1年目から2年目の売上が6倍になった、しあわせスイカ農園様
✅若い農家さんがネット通販を主軸に考えてあえて農園の規模を縮小し、単価を上げて効率的に利益倍増。例年1日以内にすべての商品が完売する、サカヤ農園様
✅加工品のネット通販を始めて、ホームページの開設直後から、売上を前年比5倍にされ、Xのフォロワー数も2.5万人をこえる、あったか野菜農園様
✅単価が安く、高値ではなかなか引き取られない白菜やナスなどの野菜を、YouTubeチャンネルでの情報発信を絡めた販売で、登録者数14万人ごえ⇒すぐに予定数完売まで到達した三和農園様
✅ゼロの状態からブルーベリーの観光農園を始めて、1年目から2年目にかけての来場者数を一気に8倍にされ、ネット通販と合わせて売上を伸ばし続けている、さわやかブルーベリーファーム市原様
✅農業のイメージの少ない世田谷区でチューリップを育てて販売し、わずか1年で売上を2.5倍に。キーワード「チューリップ農家」でも2位に到達した、せたがやチューリップ農園様
【主な講演実績】
✅愛知県岡崎市役所さまからのご依頼で、販路拡大セミナー講師としてぐるなび様とあわせて登壇。(参加者満足度97%)
✅千葉県千葉農業事務所さまからのご依頼で、販路拡大セミナー講師として登壇。
✅インテックス大阪で開催された関西農業Weekにて、農作物のネット販売について講演。(事前注目度2位&参加者満足度90%超)
✅幕張メッセで開催された農業Weekにて、農作物のネット販売について講演。(参加者満足度96%超)
✅福寿園様、祇園辻利様など、お茶の流通業者や生産者の集まる「宇治茶アカデミー」にてECサイトの運用方法について講演。(参加者満足度94%)
✅秋田県の若手農業者・新規就農者のみなさまに向けて、農作物のネット販売について講演。
✅JICAプロジェクトの一環で、インドのヒマーチャル・プラデーシュ州の農業局職員のみなさまへ、日本の農業の販路開拓の実際について講演。
✅福岡県の主催で、ふくおか農業トップランナーキャリアアップ講座に登壇。福岡県の女性農業者のみなさまに向けて講演。
✅その他、大阪、鳥取、埼玉、青森など日本全国からご依頼をいただいて講演中。
【書籍】
『メールもタイピングも苦手だった小さな農家さんが、農園の規模を変えずに、ネット販売準備開始から100日で売上を去年の2倍にした物語』を大手ネット書店Amazon様にて販売中。(高口のLINEに登録していただくと無料でお読みいただけます)
【記事掲載&メディア露出&協力】
✅NHK
✅マイナビ農業
✅FM COCOLO「僕らは海峡を渡る」
✅テレビ朝日系列「駅テレマルシェ」
✅YUIME JAPAN
✅成城大学プラントベースプロジェクト
【その他】
✅参議院議員会館で行われた「知のオリンピック」にて、弊社の取組を紹介したところ、3位入賞の栄誉をいただきました。
✅農家さんのお手伝いで、クラウドファンディング事業に参加。文章や写真撮影、宣伝など全面的にサポートし、350%の達成率で成功。
✅農家さんのための通販専門講座「ファーマーズメールオーダーアカデミー」を主宰。受講生165名突破。
インターネットの苦手な方でも、野菜や果物、お花のネット販売や観光農園づくりを一から学ぶことができ、年商1億円の農園クラスの超本格的なホームページを作って販売が楽しく始められるサービスを展開中。
北は北海道、南は沖縄県宮古島まで、
毎日全国からお問い合わせをいただき、
農家さんの販売事業をサポートさせていただいています。
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