農産物をネットで販売できるBASEの初期費用や月額固定費・手数料を解説。計算式やクール便ありの実例シミュレーションつき
農産物のネット販売を始めたいと思っても、
「どの販売サイトを選べばいいのか分からない」
「手数料や送料で結局どれくらい残るのか不安」
「売れやすい場所で始めたい」
そんな悩みを抱えている農家さんは少なくありません。
ネットで農産物を売るためのサービスを「プラットフォーム」といいますが、それぞれ手数料や集客力、販売条件が大きく違います。
同じブルーベリーやトマトでも、出品する場所によって売れやすさや利益率は変わってしまうのです。
今回ご紹介するBASE(ベイス)は、初期費用ゼロでネットショップを開ける人気のプラットフォームです。
特に「まずは小さく直販を始めたい」「クール便を使って遠方にも届けたい」という農家さんに向いています。
この記事では、BASEの料金体系や手数料、クール便を考慮した実際のシミュレーションまで、農家さん向けに分かりやすく解説していきます。
✅ ネット販売をこれから始めたい
✅ 自分の農産物を直接お客様に届けたい
✅ 無駄なコストをかけずに利益を残したい
こんな方に役立つ内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
BASEってどんなサービス?
BASE(ベイス)は、パソコンやデザインの専門知識がなくても、数分で自分のネットショップを開けるサービスです。
初期費用は0円で、スマホひとつでもお店を運営できます。
農産物を販売するお店を作ることができる
農産物など、農家さんが食品を販売することもできます。
気軽に販売を試しやすいが、注意も必要!
特に農家さんにとって嬉しいのは、小ロットから気軽に販売を試せることです。
農協や市場に出すのとは違い、直接お客さんに届けられるので「自分の名前で販売する」実感が得られます。
ただし、ネット販売には「手数料」や「送料の設定」といった仕組みを理解しておかないと、思ったより利益が残らないこともあります。
ここからは、農家さんが気になるBASEを使ったときの費用の仕組みと、実際の計算例をご紹介します。
BASEの料金プランと手数料
BASEには「スタンダードプラン」と「グロースプラン」の2種類があります。まずはそれぞれの特徴を整理してみましょう。
スタンダードプラン
- 初期費用:0円
- 月額固定費:0円
- 決済手数料:3.6%+40円
- サービス利用料:3%
合計すると、1件ごとの注文金額(商品代+送料)に対して「3.6%+40円+3%」がかかる仕組みです。
例えば「商品代3,000円+送料1,000円=合計4,000円」の注文があった場合、手数料合計はおよそ304円となります。
送料をお客様に請求していても、その送料分も手数料の対象になる点に注意が必要です。
グロースプラン
- 初期費用:0円
- 月額固定費:年払い16,580円/月(または月払い19,980円)
- 決済手数料:2.9%
- サービス利用料:0%
例えば同じ「合計4,000円」の注文であれば、手数料は116円となり、スタンダードより200円近く安くなります。
ただし、月額費用がかかるため、注文数が少ないと赤字になる可能性もあります。
共通の注意点
- Amazon PayやPayPalでの支払いは、どちらのプランでも+1%の手数料が追加。
- コンビニ払い、銀行振込、キャリア決済では購入者側に別途手数料がかかる場合があります。
- すべての手数料は、税込の価格で表記されています。つまり、消費税にも手数料がかかってくるということです。
どちらのプランを選ぶべき?
スタンダードプランは「まず試してみたい」「月に数件の販売から始めたい」という方に向いています。
グロースプランは「毎月安定して数十件以上の注文が見込める」農家さんにおすすめです。
目安として、客単価が4,000〜5,000円なら月80件前後の注文があれば、グロースの方がお得になります。
Pay IDアプリ経由の注文に注意
BASEには「Pay ID」という専用アプリがあります。ここからの注文には、通常より高い手数料(決済3.6%+40円+サービス利用料5.9%)がかかります。アプリ経由の売上比率が多い場合は、しっかり計算に入れておきましょう。
売上を振り込むときにかかる費用
商品が売れると、売上はまずBASEにたまります。その後、自分の口座に振り込むときに費用がかかります。
- 振込手数料:一律250円
- 事務手数料:2万円未満の振込は500円(2万円以上なら無料)
こまめに引き出すより、2万円以上たまってから申請する方が無駄が少なくなります。
クール便の送料もしっかり考えよう
暑い時期、生鮮品はクール便で送ることが多いですよね。
クール便は、通常の宅急便料金に「クール料金」が上乗せされます。例えば80サイズなら330円(税込)が加算されます。
BASEの「かんたん発送」を使えば、全国一律料金でクール便も送れます。遠方のお客様にも安心して販売できるので、検討してみるといいですよ。
実際の利益はどう計算する?
ネット販売をするときに一番気になるのは、「売上から実際にいくら手元に残るのか」ですよね。BASEでは、注文金額に対して複数の費用が差し引かれる仕組みになっています。ここを正しく理解しておかないと、「たくさん売れたのに思ったより利益が残らない」ということが起こりやすいのです。
手数料がかかる対象は「商品代+送料」
まず大事なポイントは、BASEの手数料は商品代金だけでなく、送料も含めた合計金額にかかるということです。
たとえば「商品3,000円+送料1,000円=合計4,000円」の注文の場合、手数料は4,000円を基準に計算されます。送料をお客様に請求していても、その分にも手数料がかかる点に注意が必要です。
計算に必要な費用の内訳
1件の注文でかかる費用を整理すると、次のようになります。
- BASEの手数料(スタンダードなら 3.6%+40円+サービス利用料3%)
- 送料の実費(ヤマト運輸やゆうパックの送料+クール便オプション)
- 商品の原価(栽培コストや仕入れ原価を1セットあたりに割り振る)
- 梱包資材費(箱・緩衝材・保冷剤・テープなど)
この4つをしっかり差し引くことで、「本当の利益」が見えてきます。
実際の計算式
スタンダードプランの場合は次の式で計算できます。
手取り = (商品価格+送料) − (合計金額×6.6%+40円) − 原価 − 資材費 − 送料実費
グロースプランならこうなります。
手取り = (商品価格+送料) − (合計金額×2.9%) − 原価 − 資材費 − 送料実費
※Amazon PayやPayPal利用時は、さらに+1%の手数料を加えて計算してください。
シミュレーション例(関東→関東・80サイズ発送)
- 商品価格:3,000円
- 原価:1,200円
- 梱包資材:常温150円/クール300円
- 送料:常温 1,230円/クール 1,230円+330円
常温便の場合(合計金額=4,230円)
- スタンダード:手取り 約1,331円
- グロース:手取り 約1,527円
クール便の場合(合計金額=4,560円)
- スタンダード:手取り 約1,159円
- グロース:手取り 約1,368円
農家さんがつまずきやすいポイント
- 送料も手数料の対象になることを見落としてしまう → 「利益が出ない原因」のトップです。
- 資材費を計算に入れていない → ダンボールや保冷剤は積もると大きなコストになります。
- クール便でサイズが上がる → 緩衝材や保冷材でサイズが1ランク大きくなり、送料が一気に数百円高くなることもあります。
まとめ
利益計算は少し手間に見えますが、一度テンプレートを作ってしまえば、毎回数字を入れるだけです。
エクセルやGoogleスプレッドシートに計算式を組んでおくと便利ですよ。
グロースに切り替える目安
グロースは手数料が安い代わりに月額費用がかかります。
月に80件前後の注文があるなら、グロースに切り替えた方が得になるケースが多いです。
それ以下ならスタンダードのままで十分です。
送料設定のコツ
- 常温/冷蔵/冷凍を分けて送料を設定する
- 送料無料ラインを設けて客単価を上げる(例:8,000円以上で送料無料)
- 梱包資材や保冷剤でサイズが上がりやすい点に注意する
- BASEの「かんたん発送」を使って宛名や伝票発行の手間を減らす
こうした工夫で「赤字になる送料」を防ぐことができます。
まとめ ― 農家さんにおすすめできる理由
BASEは初期費用ゼロで始められるため、リスクを抑えてネット販売を試したい農家さんにぴったりです。とくに「まずは直販をやってみたい」「リピーターを増やしていきたい」という方におすすめです。
ただし、送料や手数料の仕組みを知らないまま始めると、「頑張って売ったのに利益が残らない」という失敗につながりかねません。この記事のシミュレーションを、自分の農産物にあてはめて考えてみてください。
私は農家さん専門のネット販売アドバイザーとして多くの事例を見てきましたが、成功している方に共通しているのは「数字を一度きちんと整理してから始めている」ことです。まずはスタンダードプランで小さく始めて、売上や件数が安定してきたらグロースに切り替える。この流れが一番安心ですよ。
BASEの弱点も理解しておこう
ここまでBASEの料金や仕組みを見てきましたが、最後に「BASEだけでは限界がある」という点もお伝えしておきたいと思います。
① 集客力が弱い
BASEは誰でも簡単にお店を開ける分、集客力はほとんどありません。
お客様が自分からBASE内を探してくれるわけではないので、結局はSNSや広告を使って自分で人を集める必要があります。
② ブランディングには不向き
シンプルな作りで操作は簡単ですが、そのぶん「世界観」や「農園らしさ」を伝えるのは難しいのが現実です。
差別化やブランドづくりをしていきたい農家さんには物足りなさを感じるでしょう。
③ 商品説明が制限される
BASEの商品ページは、レイアウトや文字装飾に制限があります。
農作物の魅力をじっくり伝えるには十分でなく、成約率を上げるための細やかな訴求がしにくいのです。
次のステップは「自分のホームページ」
だからこそ、売上を本気で伸ばしていきたいなら「自分のホームページを作る」ことを検討するのがおすすめです。ホームページなら自由にデザインでき、農園のストーリーや商品のこだわりをしっかり伝えることができます。
BASEは「お試しの直販」に向いていますが、その先を目指すなら「自園の公式サイト」での販売が強い武器になります。
さらに詳しく知りたい方へ
この記事ではBASEに焦点を当てて解説しましたが、他のプラットフォームやホームページ販売の実例も踏まえて「農家さんに合った最適な販路の選び方」をお伝えしています。
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筆者は野菜や果物のインターネット販売の専門家として、これまで10年間、農家さんのお手伝いをしてきました。
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✅ネット通販を始めて、準備期間を含めて100日で売上2倍、2年目にはその4倍を実現した那覇マンゴー園様
✅人口300人の小さな島で、ネット通販で不安視されやすい野菜(玉ねぎ)の販売により、テレビなどのメディアの紹介を呼びこみ、ネットのみの売上が数百万円に。ブランド化に成功した津和地島だより様
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このような実績を有しているのは、日本では他になく、野菜や果物のインターネット販売においては、日本で第一人者を自負しています。
先日、書籍を出版しました。
こちらの書籍に、那覇マンゴー園の那覇靖さんが、どうやって利益を伸ばしていかれたのかを、どなたでも簡単に読みやすい物語形式でご紹介しています。
この書籍を、現在、無料でどなたでも、お手持ちのスマートフォンで、気軽にお読みいただける形でプレゼントしています。
販売を行うまでに、那覇さんが何を準備されたのかも詳しく書いていますので、よろしければ、まずはこちらをお読みになってみてください。
↓
あなたのお役に立てましたら幸いです!
この記事を書いたのは

- ネット販売アドバイザー&農業webデザイナー
-
昭和61年1月12日生まれ
香川県高松市生まれで現在は東京都在住。
元小学校教員。(埼玉、島根)
現「株式会社たねをまく」代表取締役。
過疎化、新型コロナウイルス、燃料費高騰、後継者問題、価格の乱高下……
今、日々の生活の苦しい農家さんを救うのは
インターネット販売であることと考え、
ITの知識を生かして2015年に起業。
日本初の、農家さんに特化したネット販売アドバイザー。
新規就農の方や農家さんが、野菜や果物をインターネットで販売して利益を出す方法や考え方をお伝えし、「農業はもうからない」という常識をくつがえしたいと思って活動しています。
【農家さんの主なコンサルティング実績】
✅ネット通販を始めて、準備期間を含めて100日で売上2倍、2年目にはその4倍を実現した那覇マンゴー園様
✅人口300人の小さな島で、ネット通販で不安視されやすい野菜(玉ねぎ)の販売により、テレビなどのメディアの紹介を呼びこみ、ネットのみの売上が数百万円に。ブランド化に成功した津和地島だより様
✅「パソコンに触れるところから」と言っていた農家さんがスイカのネット通販を始めて、400玉を24分で完売⇒月商900万円を達成。1年目から2年目の売上が6倍になった、しあわせスイカ農園様
✅若い農家さんがネット通販を主軸に考えてあえて農園の規模を縮小し、単価を上げて効率的に利益倍増。例年1日以内にすべての商品が完売する、サカヤ農園様
✅加工品のネット通販を始めて、ホームページの開設直後から、売上を前年比5倍にされ、Xのフォロワー数も2.5万人をこえる、あったか野菜農園様
✅単価が安く、高値ではなかなか引き取られない白菜やナスなどの野菜を、YouTubeチャンネルでの情報発信を絡めた販売で、登録者数14万人ごえ⇒すぐに予定数完売まで到達した三和農園様
✅ゼロの状態からブルーベリーの観光農園を始めて、1年目から2年目にかけての来場者数を一気に8倍にされ、ネット通販と合わせて売上を伸ばし続けている、さわやかブルーベリーファーム市原様
✅農業のイメージの少ない世田谷区でチューリップを育てて販売し、わずか1年で売上を2.5倍に。キーワード「チューリップ農家」でも2位に到達した、せたがやチューリップ農園様
【主な講演実績】
✅愛知県岡崎市役所さまからのご依頼で、販路拡大セミナー講師としてぐるなび様とあわせて登壇。(参加者満足度97%)
✅千葉県千葉農業事務所さまからのご依頼で、販路拡大セミナー講師として登壇。
✅インテックス大阪で開催された関西農業Weekにて、農作物のネット販売について講演。(事前注目度2位&参加者満足度90%超)
✅幕張メッセで開催された農業Weekにて、農作物のネット販売について講演。(参加者満足度96%超)
✅福寿園様、祇園辻利様など、お茶の流通業者や生産者の集まる「宇治茶アカデミー」にてECサイトの運用方法について講演。(参加者満足度94%)
✅秋田県の若手農業者・新規就農者のみなさまに向けて、農作物のネット販売について講演。
✅JICAプロジェクトの一環で、インドのヒマーチャル・プラデーシュ州の農業局職員のみなさまへ、日本の農業の販路開拓の実際について講演。
✅福岡県の主催で、ふくおか農業トップランナーキャリアアップ講座に登壇。福岡県の女性農業者のみなさまに向けて講演。
✅その他、大阪、鳥取、埼玉、青森など日本全国からご依頼をいただいて講演中。
【書籍】
『メールもタイピングも苦手だった小さな農家さんが、農園の規模を変えずに、ネット販売準備開始から100日で売上を去年の2倍にした物語』を大手ネット書店Amazon様にて販売中。(高口のLINEに登録していただくと無料でお読みいただけます)
【記事掲載&メディア露出&協力】
✅NHK
✅マイナビ農業
✅FM COCOLO「僕らは海峡を渡る」
✅テレビ朝日系列「駅テレマルシェ」
✅YUIME JAPAN
✅成城大学プラントベースプロジェクト
【その他】
✅参議院議員会館で行われた「知のオリンピック」にて、弊社の取組を紹介したところ、3位入賞の栄誉をいただきました。
✅農家さんのお手伝いで、クラウドファンディング事業に参加。文章や写真撮影、宣伝など全面的にサポートし、350%の達成率で成功。
✅農家さんのための通販専門講座「ファーマーズメールオーダーアカデミー」を主宰。受講生165名突破。
インターネットの苦手な方でも、野菜や果物、お花のネット販売や観光農園づくりを一から学ぶことができ、年商1億円の農園クラスの超本格的なホームページを作って販売が楽しく始められるサービスを展開中。
北は北海道、南は沖縄県宮古島まで、
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